猫の門脈体循環シャント(手術編)

症例報告(高橋雅弘)

高橋ペットクリニック手術ケースより

先日の猫の門脈体循環シャントの続きの手術編です。

CT検査からシャント量が多く、手術の難易度も高いと予想します。

開腹時の肝臓の所見
↓クリックすると写真が大きくなりますが、血がだめな方はクリックしないでください。


肝臓は栄養不良な所見を示していました。

シャント血管を確認
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CT検査で予測したようにシャント血管にアプローチできる部位はピンポイントで限られていました。

シャント血管を完全に遮断(結紮)すると門脈圧があがりすぎて合併症を起こすところまで上昇したため、部分結紮で終了としました。
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無事手術は終了しましたが、そこから合併症である神経症状がでないか?の術後管理が始まります。
猫の門脈シャントでは術後に盲目、震えそして発作などが神経症状が30%程度出現すると言われています。

今回も術直後は目がみえておらず、頭部の震えなどの症状があり心配しましたが、1週間程度でしっかり治りました。