胃拡張捻転症候群(GDV)手術編
症例報告(高橋雅弘)
胃拡張捻転症候群
前回のX線検査編のつづきです。
今回は治療編
この疾患は緊急性が高い疾患です。直ちに治療しないと命を落としてしまいます。
静脈内点滴、胃の減圧、そして手術による捻転の整復と胃腹壁固定術が治療となります。
開腹直後
胃が裏返っており、通常胃の背側にあるはずの大網が胃を覆っている。
↓クリックすると画像が大きくなりますが、血がだめな方はクリックしないでください!!
捻転を解除したところ
口からチューブを入れて胃内のガスと食塊を除去した後。
胃の捻転を整復した後は胃壁を腹壁に固定します。
まずは胃壁に切開を加えます。
その後腹壁に切開を加えます。
切開部を縫合して胃壁腹壁固定術(青矢印)の終了です。
予後
正直手術手技は捻転を整復して再度捻転しないように胃を固定する一定の外科手技なので、生死をわけるのはどれだけ早く発見して病院に連れてきてもらえたか?というところに大きく関与します。
胃壁の壊死に陥っていなかったケースは生存することが可能です。
胃腹壁固定術を実施した動物での再発率は10%未満と言われているが、再発することもあるとのことです!!