会陰ヘルニア

症例報告(高橋雅弘)

高橋ペットクリニック 外科ケースより

会陰ヘルニア

中高齢の去勢していない雄で発症する病気です。
肛門の横から脱腸します。
症状は排便がしにくい、しぶり、下痢などを引き起こし、時に排便時の痛みによって叫ぶこともあります。
発症してしまうと非常に可哀想な病気です。

治療は基本的には手術です。

しかし、一般的にも再発率が高いため、獣医師泣かせの病気です。

今回は手術所見を紹介します。
当院では、同時に両側のヘルニア整復します。



右側の会陰ヘルニアの皮膚切開時の所見です。左側に肛門があります。


鉗子でおさえているところがヘルニア孔です。

説明を加えると下図になります。↓



内閉鎖筋を坐骨から剥がして挙上させます。↓


説明を加えると下図になります↓




骨盤隔膜を構成するそれぞれの筋肉および靱帯に糸をかけます。


説明を加えると下図になります↓
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縫い合わせると最後はこのような所見になります。


ちなみに反対側(左)



合併症としては、感染、尿失禁、便失禁そして再発などもみられることがありますが、手術前の苦痛から解放してあげることができます!!

同時に去勢は絶対します。しないと再発率がグッとあがります。
経過の長い症例や重度の症例では、結腸固定と精管固定を同時に実施しています。

全部やると手術時間は2時間半くらいかかります!!
大変な手術ではあります!!