猫の門脈体循環シャント(PSS)診断編

症例報告(高橋雅弘)

高橋ペットクリニック外科ケースより

犬ほど多くはありませんが、猫においても先天性門脈体循環シャント(PSS)は存在します。

門脈は肝臓に流れますが、シャント血管があることによって門脈血が肝臓を迂回して体循環に直接流入してしまいます。
従って肝臓で代謝されるはずのアンモニアなどの毒性物質が肝臓で代謝されることなく体循環に流れ、様々な臨床症状を引き起こします。

代表的な症状は、よだれがでる、ぐったりする、ふらつき、痙攣発作、食欲低下、失明、興奮・狂騒などです。

原因はわかりませんが、猫では虹彩の色が銅色を呈していることがあると言われています。



血液検査では、アンモニア値の上昇、総胆汁酸値の高値が特徴です。

最終的にはCT検査を実施することによって確定診断が得られます。

3Dにするとはっきり異常血管が確認できます!!
↓ここをクリックすると3D-CT検査所見動画が見れます。
猫の門脈体循環シャント(PSS)の3D-CT検査所見

治療はシャント血管の結紮手術となります!!