動物病院の麻酔のお話(1)

動物病院の麻酔のお話(藁戸由樹)

こんにちは。

獣医師の藁戸です!

普段のブログとはまた違う趣向で、皆様に情報を発信したいと思っています。
どうぞお付き合いください。

私は麻酔科学にとても興味があります。
なので私が扱うおもなテーマは「麻酔」です!
ここでは全身麻酔を麻酔と呼ぶ事にします。


飼い主の皆様からよくご質問頂きます。
「うちの子に麻酔をかけても大丈夫ですか?」

麻酔=怖い

その様なイメージを多くの方々が抱いておられると思います。

その通りだと思います。

麻酔は極力回避すべきですし、麻酔のみから得られる利益はありません。

しかし、麻酔があるから、困難な病気に立ち向かっていけることも事実です。麻酔は怖いですが、素晴らしい技術だと思います。

手術があるから病気で苦しむ子たちの苦痛を取り除く事ができる。
でも、手術は麻酔が無いと実施出来ないのです。
体が小さいから、高齢だから、短頭種だから、心臓が悪いから、麻酔がかけられないので手術はできない。

近年の獣医麻酔学の発展に伴いこれまでこのように諦めざるを得なかった子たちの命が助かるようになって来ました。もちろん限界もありますが。

それでも、簡単には諦めて欲しくない。だからこそ麻酔の事をもう少し飼い主の皆様にお伝えしたいと思っています。

普段の診察の中ではなかなかお話しできない麻酔の良い面も、悪い面も両方お伝え出来ればと思っています。
よろしくお願いします。

次回は、私たちが普段実施している麻酔に関して書きたいと思います。